獲物も蜘蛛も捕らわれる。
透 明 な 蜘蛛の巣 8
ぽっかりと意識が戻ってきた。
体を起こすと、そこかしこが軋んでいる。小十郎は眉を寄せて、空を仰いだ。真っ青だった皐月空は落ちかけた日で
橙に染まっている。随分刻が経ったのだ、と小十郎は思った。一刻ほどは意識を飛ばしていたらしい。
ぱさり、と肩からなにかが滑り落ちた。
見るとしのび装束である。
「――――さると、び」
声を出すが何処からも返事はない。
小十郎は軋む体をおして立ち上がり、乱れた着物を正す。すこしずつ薄暗くなっていく山の空気を吸い込みながら、
山を下りるか否かを小十郎はしばし迷った。が、しのびがおのれの痕跡を残したまま去るとも思えず、ならばこの周
辺に居るだろうと足を踏み出す。
しばらく木々を縫って歩いていると、その群れがぱきりと終わった。
丸い空間がある。池があった。平らな水の表面に、落ちかけた日が染みこむようにそのいろを映し混んでいる。橙と
紺が混じり合って、ゆらゆらと揺れていた。小十郎はさくさくと歩を進め、鏡のように景色を取り込んでいる水のな
かにつま先を浸した。波紋が拡がる。
波紋は拡がって、そしてすこしずつ幅を広げ、それから止まった。
「起きたの」
波紋が止まったその先に、佐助が居た。
ひどく静かな声で問いかけられて、小十郎はすこし迷ってから頷く。
佐助は上半身だけ顕わにして、髪を濡らして前に垂らしていた。佐助の肌は小十郎のそれより余程しろく、見慣れた
筈のそのいろがどこか眩しく小十郎は目を細めた。傷ひとつない。ない筈はないのに、ない。術かなにかで隠してい
るのか、それともしのびの技術にはそれを隠すようなものがあるのか、いずれにせよ背も腕も女のそれのようにしろ
く滑らかだった。小十郎は改めておのれの醜さが身に染みるようだった。
だからどうと思ったわけではないが、そう思った。
「まだ寝てりゃ良かったのに」
「寝心地が悪ィよ、彼処は」
「こいつぁ失敬。寝台造りゃ良かったかい、おひぃさま」
佐助はおのれの顔に張り付いた髪を掻き上げて、けらけらと笑う。
小十郎は笑わないで、つま先を浸したままじいとしのびを眺めた。それから、其処で何をしてる、と問う。佐助はざ
ばりと水を被せて、ふるりと顔を振って水を弾き、そして空っぽの笑いを真っ直ぐに空へ投げた。
「熱くてさ」
「あつい」
「体が収まンないんで、水浴び」
あんた直ぐ飛んじまうから、と佐助はいやらしく口角をあげた。
小十郎はすこし眉を寄せ、口元に手をやった。佐助はへらへらと笑っている。
「悪かったよ」
顔を空に向けて佐助は言う。
「無理させたろ。体、きついんじゃないの」
「そんなこたァねェよ」
「じゃあ、またしようか」
佐助の目がきゅう、と細まる。
小十郎はこくりと息を飲んだ。細まった目がにいとそのまま線になる。
「冗談だよ」
「――――――笑えん」
「あんたとはそういう感性が合わないンだね」
「悪かったな」
「解ってたことだからべつにいいさ。
大体あんたと合うものなんざ、なんもねえんだ。精々が体の相性くらいだ」
佐助は殊更に声を張り上げてそう言った。
声が水面を揺らす。それがつま先を通して小十郎の体を駆け上がってくる。肩に掛かっている佐助のしのび装束を、
知らず小十郎は握りしめた。でもさあ、と佐助はやはり大きな声で続ける。
でもさあ、どうやら俺はあんたに捕まッちまったらしいよ。
「どうしようもねえや」
くしゃりと目元を歪めて、佐助は笑う。
小十郎は何と言っていいのか解らず、ただひどく痛々しげに笑う男を見据えた。そんなに困ったような顔をしないで
おくれよ、と佐助は言う。笑っている顔は、あとすこしずらすと泣き顔になるほど危ういところに位置していた。
最初はねえ、と吐息と一緒に佐助はこぼした。
「最初はね」
「――――――あァ」
「あんたが馬鹿で、間抜けで、滑稽でさ。
抱いてやりゃあたのしいかと思ったんだ。だってそうだろ。女の癖に男顔負けで戦出てさ、それで澄ました顔して
主の横に坐ってンのかと思ったらそんなの笑い話じゃない。
その顔ぐしゃぐしゃにして、塵みてえに捨ててやったらさぞや可笑しいだろうってな」
「そうか」
「軽蔑するかい」
「いや」
小十郎は首を振った。
「今この瞬間まで、そう思っておまえは俺を抱いているのだと思っていた」
「――――――あンまりだねえ」
佐助は辛そうに笑う。
小十郎はすまん、と言った。
いいよ、と佐助は顔を下げて、ぱしゃりと水面を手で掬う。
「俺が悪いんでしょうよ。
あんたの覚悟も知らねえで、半端な覚悟で触れた俺がね」
諦めようと思ったんだぜ、と佐助はぱしゃぱしゃ水面を濁しながら言う。
だってあんたは独眼竜しか見てなくてさ、俺がいくらあんたを抱いてもその抱いている体は器だって言うんだもの。
佐助はひどく淡々と言葉を続け、それから視線を小十郎に合わせた。小十郎はそれを真っ直ぐに見返して、それから
それはそんなにおまえにとって酷い事だったのか――――――と、問うた。
ひどいよ、と佐助は応えた。
ほんとうにひどいよ。
「俺は」
おれは、と佐助は繰り返す。
それからすこし迷うように眉を寄せた。日が落ちている。橙は殆ど紺に浸食されて、濁って醜いいろになっていた。
その向こう側から完璧な黒が迫っている。その黒い幕を針で突き刺したように、ぽつぽつと星が散らばっていた。
佐助はそういういろに照らされて、しろい肌はそのいろにまったく染め上げられている。
醜い橙と紺の混合色に染まった佐助は、あんたをさあ、と泣きそうな声で言う。
「まるごと大事にしたいよ。
爪の先から髪一本まで、俺にとっちゃあ――――――ぜんぶ、ぜんぶあんたなんだ」
棄てないでおくれよ、と佐助は懇願するように続ける。
小十郎は訳が分からなくなって目を閉じた。きつく唇を引き結んで、肩を抱いて意味が解らない、とちいさくこぼす。
解らなくないよ、と佐助は強い語調で言う。さぶさぶと水をかき分ける音がした。近づいてきているのだと知って、
小十郎は思わず踵を返しかけたが、それはあんまり情けない。
踏みとどまって、閉じていた目を開いた。
「解らん」
近づく佐助を止めるように声を張り上げた。
「解らねェよ。おまえの言うことは些っとも解らねェ」
「なんでさ」
「俺は」
俺は。
その先になにを言って良いか小十郎は解らなかった。
小十郎にとって体はいつも邪魔をする壁でしかなかった。男の体であればと幾度も思った。女だからと言って男に引
けを取っていると思ったことはない。そうならぬような鍛錬を欠かしたこともない。しかしもし男であれば、その鍛
錬は欠けるものを補うものではなく、充足を更に伸ばすものになったであろう。足りぬと思った。
主を、龍を追うためにどれだけ駆けたところでおのれには足りぬものが多すぎる。
「こんな体に何の益がある」
そう言ってしまえば良かったのやもしれぬ。
小十郎はそう言ってやるつもりだった。が、言えなかった。
佐助は泣き出しそうな顔で小十郎を見ている。だいじにしたいよ、という悲痛な声が耳にまとわりついてきて、その
声があんまり切実なので切り捨てるのにすこしだけ小十郎は躊躇した。
そのあいだに佐助はいつの間にか傍らまで寄っている。
濡れた手に腕を掴まれて、小十郎はひくりと震えた。
「あんたがさ」
腕を掴んだまま、佐助は言う。
あんたがさ、すこしでもおれをとくべつだとおもってくれるならさあ――――――
「あんたを」
あんたをだいじにさせて、と。
佐助は小十郎の手の甲にひとつ口付けを落とした。
女の体がひくりと震えるのが解った。
視線をついとあげると、困惑している小十郎の顔が目に入ってきて佐助はにがく笑う。
「そんな顔しないでくれってば」
一世一代の告白なんだぜ。
茶化したように言うが、小十郎の引き攣った顔は元には戻らない。どくりと胸が震えた。ことことと鼓動がうるさい。
笑える程に動揺しているのだ、と思って佐助はおのれの体を引き千切りたくなった。しのびだぜ、と言い聞かせるよ
うに胸のうちで嗤う。たったひとり、敵国の女を前にして、そしておのれは今死んでしまいそうなほどに動揺してい
る。情けねえな、と佐助は声に出して笑った。
「触ってみ」
「――――――は」
「俺様、今すごく緊張してんだぜ」
あんたのせいでいつか死ぬかもしれないと佐助は小十郎を見上げる。
胸に押し当てた小十郎のてのひらはひんやりと冷たかった。小十郎はすこし目を丸めて、凄ェな、とひとこと言う。
しばらくそのまま黙り込んでいた小十郎は、ゆるゆると目を細め、そして、
「おまえは」
なにを、と言う。
なにをしたい、と言う。
佐助は小十郎の手を強く握り、だから言ったじゃない、と笑う。
「大事にしたいよ」
「だいじ」
「そう、だいじに」
「俺を、か」
「あんたをだよ。
あんたを。
おれが。
だいじに。
するんだ」
言い聞かせるように区切って言う。
小十郎はやはり解らぬようだった。戸惑った顔をしている。眉が寄って、口元はきつく引き結ばれて、切れ長の目は
細くなっている。佐助は困ったようにまた笑みを貼り付けたまま、胸元に押しつけていた小十郎の手を持ち上げて、
顔の高さまで持ってくる。小十郎の手はささくれ立っていて、節が目立ち、いろは褐色だった。おのれの指のほうが
余程しろい。爪がところどころ鬱血して、醜い紫色になっている。佐助はその一本を口に含んだ。
土の味が口内にひろがる。まずい、と思った。
「――――――なに、してんだ」
呆れたような声で小十郎が問うた。
佐助はぺろりと指を舐め上げて、ほんとうはさあ、と言った。
「あんたをね」
「あァ」
「あんたをひっつかまえてさ。
どっか俺様しか知らねえ土牢にでも押し込んで、繋いでやりたいとか思わないでもないよ。ただ、そしたらあんた
は舌噛み切ッて死んじまうだろう」
「そんなことくらいで、死ぬか」
「そうか」
佐助は笑った。
そうだね、あんたはきっと逃げるね。小十郎はそうするだろう。算段を立てて、数式を組み立てるように計画を練っ
て、そしてせせらわらいを残して佐助の手元からするりと消える。そして戻る。
無論、主の元へと戻っていく。
堪らなく胸が熱くなった。
「そういうところが、堪ンないな」
佐助は無骨な女の利き手をおのれのほおに当てた。
「それでいいよ」
「猿飛」
「それでいい。それがいいんだ」
小十郎はただ、伊達政宗の為に生きる。
それは片倉小十郎というひとつの生き物の根源だ。
そこを揺るがそうとは思わない。そこが揺らがぬと知っているからこそ佐助はこんなに小十郎がいとおしい。一度手
放して、また腕の中に収めてしまえばその感情は止まることを知らぬようだった。溢れるように、目の前の生き物へ
と向かって感情が流れていって気が狂いそうだ。
ねえ、と佐助は小十郎のてのひらのかすかな熱を感じながら口を開いた。
「指先に、ちょこんと乗っかる位でいいんだけどさ」
あんたは、おれのことおもってるかな。
ひくりとほおに押し当てたてのひらが蠢く。
「だったら、でいいんだ」
「さる、と」
「もしすこしでも――――――独眼竜を想う、その端っこのほうでもいいんだけどさ。
そこら辺にすこしでも俺が居る場所があるんだったらさぁ、俺にあんたを大事にする許しをおくれよ。
あんたを俺のものにしてえなんてこれっぽっちも考えちゃあいない。
あんたは龍の旦那のものだ。
それでいいよ。
でもあんた、さっき言ったよな」
俺以外に抱かれるのが想像できないって言ったよね。
佐助は、おのれでも解るほど歪んだ顔で笑って、首を傾げる。
「だったら――――――だったら、これからもそれ以外のことは考えないで」
固いてのひらを引いて、小十郎を抱き寄せる。
広い肩幅がぶつかってきた。小十郎は抗おうともせずに、佐助の体に寄りかかる。晒の巻かれていない胸はふわりと
したやわらかい感触がした。佐助は小十郎の首筋に顔を埋めて、くぐもった声でくつくつと笑う。
小十郎の手が、すうと伸びて髪に触れた。
「猿飛」
「うん」
「さるとび」
「うん、なに」
「すまん」
「謝んなよ」
「――――――すまん」
くしゃりと髪を握られた。
謝らないでよ、と佐助はまた言った。
小十郎の声は静かだった。それこそ佐助は身のうち全てを賭けて言葉をつむいでいるので――――――或いは、ここ
までひとに想われればひとの心は揺らぐのではないかと期待したひとかけもぱきりと折れた。涙が出そうだった。
泣けるほどに、片倉小十郎は片倉小十郎だった。
小十郎は佐助の髪を撫でながら、俺は解らねェんだよ、とやはり静かに言う。
「ほんとうに無ェんだ」
まさむねさまのほかに。
なにもない。
あのかたしか、あのかただけ、あのかたを。
よそごとなんだよ、てめぇのことだっておんなじだ。
まさむねさまにとってやくにたつか、たたねえか。
小十郎は淡々と言葉をつむぎ、そういうふうにしか生きられない、と結んだ。
「それで」
いいのか、と問う。
佐助は頷いた。
「それでいいよ」
「誓ってもいいぜ。俺は生涯、おまえのことは見えん」
「知ってますよ、そんなことは」
「他に好い女はいくらでも居るだろう」
「居るだろうなぁ」
「なら」
「でもそれは片倉小十郎じゃあない」
佐助は首筋から顔を離して、小十郎の顔を見た。
へらりと笑って、唇に口づける。小十郎が退こうとしたので、背筋を捉えて引き寄せた。触れると唇はきつく結ばれ
ていて、入り込む隙を見せない。佐助は舌でするりと下唇をなぞって、それで小十郎を解放した。
腕も放すと、小十郎は一歩飛び退き、手の甲でおのれの唇を拭う。佐助はざばりと水からあがり、ぺたぺたと濡れた
足音を立てて小十郎の傍らへ寄った。
それからまた笑って、跪いて小十郎を見上げる。
「許しを」
おくれよ、と言った。
小十郎の眉が寄る。大丈夫だよ、と佐助は軽い声で笑う。
大丈夫だよ、あんたになんも期待はしないよ。ただ許しておくれよ。俺があんたを大事に想うっていう、それくらい
のことは許してくれたって罰は当たンねえでしょうよ。
あんたが棄てるなら、俺がそれ全部拾いあげるよ。
「いいでしょう」
許してくれよ、とつづった声はひどく切羽詰まってみっともなく響いた。
日は完全に落ちて、辺りは黒い幕に包まれたようになっている。小十郎の目のようだった。
佐助を見下ろしてくる小十郎の顔はぞっとするほどに動かない。能面のようにかちりとある一点で時が止まったよう
に動かない。佐助はそれでも笑みを顔に貼り付けたまま、そこから視線を逸らさぬように小十郎を見据え続けた。
そのうちにぐにゃりと小十郎の顔が歪んだ。おや、と思うと手が伸びてきてほおに触れる。
つうと頬骨から目元にかけて小十郎の指がなぞり上げた。
「猿飛」
「うん」
「猿飛、泣くな」
それから腕が肩に回って、ぐい、と引き寄せられた。
こつんと肩に顎が当たる。佐助は目を瞬かせて、だれのはなし、と問うた。小十郎はきつく佐助を抱きながら掠れた
声で、阿呆、と言う。阿呆、おまえだ。
「許す」
許すから。
許すから泣くな。
嘘は吐けねェ。
おまえが望むようにはなれん。
おまえのことを、おまえのようには想えない。
「それでもおまえが想うなら、許す」
だから泣くな、と小十郎は言う。
凄いな、と佐助は抱き締められながらぼんやりと思った。
九割まで突き飛ばされている。そして壱割も受け止められている訳ではない。
それでも佐助は小十郎の背中に腕を回して、もう片方の腕は頭に添えて、おのれが抱き締められている力の倍をかけ
て抱き締め返した。ははは、と笑い声が零れる。
想うよ、と言う。
想うよ。
「もうずうっと、あんたがうんざりするくらいに想ってやるよ」
笑えるほどに滑稽で、泣けるほどに痛々しい。
いいにおいもやわらかい肌もなにひとつ持ってはいない。
佐助が心底から此処まで言葉を向けても、なにもかも放り出しても、平気な顔で他の男への慕情を舌に乗せる。きつ
く抱き締めると、小十郎が痛ェよ、と抗議した。佐助は構わずけらけら笑って、浸かるような夜の黒のなかでただ固
い体の感触を焼き付けるようにおのれの腕に刻みつける。
しばらくそうしてから、体を離した。訝しげな小十郎にちいさく笑いかけて、すいと右腕を取った。
口づけて、きつく吸い上げる。
小十郎が息を飲んだ。
構わずにそれを続け、ようやっと放すと紫色の痕ができていた。
うっとりとそれを見下ろすと、小十郎の右手がすいと佐助の手から外され、今度は佐助の右腕にかかった。首を傾げ
る間もなく、小十郎の顔が下がって伏せられる。
ちゅ、と手首に生暖かい感触が触れた。
佐助が呆然としていると、小十郎が顔をあげてぽつりと、予約だ、と言う。
「――――――は、あは、あはははッ」
佐助は思わず笑った。
無意識だとしたらとんでもない。
蜘蛛の巣みたいだな、と思った。もう一度捕まれば逃れることはできぬ。
笑う佐助を、小十郎は困ったように眺めている。その顔を両手で包み込んで、いいよ、と首を傾げて佐助は口角をあ
げた。いいよ、予約されてやるよ。そう言うと、すう、と小十郎の肩がすこしだけ下がる。
それを見て、佐助は絡め取ってやれればいいと思った。
蜘蛛の巣ならば、おのれは間抜けな獲物であろうけれども、
「一緒に居ましょう」
罠に掛けたことも知らぬ蜘蛛ならば、或いはおなじように引っかかるかもしれない。
ゆるゆると顔を近づけて口付けても、小十郎は拒まない。幾度も口づけた、そしてこれからも幾度も口づけるであろ
う唇をゆっくりとなぞりながら、佐助はうっとりと目を閉じた。
透明な蜘蛛の巣でふたりとも溶けてしまえばいい、と思った。
おわり
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