・・・年末年始通例行事・・・









「俺思うんだけどね、片倉さん」
「なんだ」
「普段からさ、けっこー掃除してると思うわけ、俺」
「ほう」
「だからさーなんかさー大掃除とか?そういう改まったのってやんなくていいんじゃないかなあ」
「猿飛」
「はあい」
「(机つー)・・・・・これで、ちゃんと、掃除してる、だと?」
「げっ!なにあんたどっかの姑みたいなことをっ」
「おら(ぽい)」
「うお」
「おまえは窓ふき、俺は風呂掃除だとりあえず」
「えー」
「文句あるか」
「窓拭くと外でなきゃいけないからやだー」
「(ぎろり)」
「・・・・・・・りょーかいぃー・・・・・・」


「・・・うーん」
「どうかしたか」
「なんかさあ、いまいちキレイになんないんだよねぇ(ふきふき)」
「阿呆」
「へ」
「布で拭いたら糸くずがつくだろうが」
「・・・・じゃあ何で拭けってのさ」
「これで拭け」
「なにこれ・・・・新聞紙?」
「そうだ」
「これでキレイになんのかよ」
「インキがワックスの役目をする。やってみろ」
「ふうん・・・・(ふきふき)・・・・・おお!」
「ほら見ろ」
「すげー片倉さんすげー(きらきら)」
「喋ってる暇あったらとっとと拭け。窓はあと三枚残ってる」
「っしゃ!なんかやる気出てきた!俺様ったらやっちゃいますよーっと!」
(やすいな・・・・)


「窓終わったよー」
「ああ、ご苦労」
「次なにすりゃいい?・・・・・うわあ」
「どうかしたか」
「なにこの書斎ー」
「ああ入ったことなかったか」
「初めて入ったけど・・・・ちょっとー本多すぎねえ?(本棚がらがら)うわ!!??」
「あ、そこは」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「あんまり汚ェ手で触んじゃねェぞ」
「・・・・・・片倉さーん?」
「なんだ」
「・・・・・・なにこの、『政宗様成長記16』って」
「政宗様のご成長の記録だ。16なら丁度、大学をご卒業なさったあたりかたぶん」
「え、ちょ、16でそこ!?じゃあ1はどこさっいつから作ってんだよ!?げげっ、つーかこの本棚全部それで埋め尽くされてんじ ゃん!」
「最新は75だ」
「しかもまだ作ってんの!?」
「本棚を増設する時期か・・・(遠い目)」
「増やすんだ!?」







「幸色十人十色」の夫婦より。
旦那の部屋にはAVはありませんがDV(伊達ビデオ)はたくさんあります。








まずは煮染めの材料から。 IN米沢



「かったくらのだーんなー」
「あぁ?なんだてめェ、この忙しい時期に」
「野菜わけてもらいに来ましたよーっと」
「野菜だァ?」
「そうそう。ほら、お節の時期じゃん」
「・・・あぁ」
「だからね、人参とー里芋とー大根とーれんこんとーゴボウくださーいなー」
「・・・」
「・・・?」
「タダという訳にはいかんな」
「せこっ。いいじゃねーかあんたの菜園は趣味でしょっ!?」
「趣味だからこそ、だ。交換条件なら分けてやらねェでもない」
「交換条件〜?」
「嫌ならやらん」
「・・・・はぁーやれやれ。まあ一応聞いてから、かねぇ」
「伊勢エビとイワシと鯛とブリ」
「へ」
「伊勢エビとイワシと鯛とブリ持ってこい」
「あー」
「ニシンは良い物が手に入るんだがな・・・」
「魚は傷みやすいもんねぇ・・・」
「ということで持ってこい」
「あー・・・・まあ、どのみち俺もそれは手に入れねーといけないしねぇ・・・。ま、ついでってことでその条件飲みますかね
」 「瀬戸内か」
「そうねえ・・・・やれやれ、鬼の旦那を口説き落とすのは骨が折れそうだぜ」
「・・・・」
「ん?どーかした?」
「俺も行こう」
「そりゃあどういう風の吹き回し?」
「行きゃあ解る」
「・・・・・ふうん?」



魚介類は新鮮さが命です。
IN瀬戸内



「おーこっちは随分とあったかいねぇ」
「厚着しすぎちまったな」
「おぉ?なんでェ、おめーら二人揃って」
「あ、鬼の旦那。おひさー」
「(黙ってお辞儀)」
「一体全体なんの・・・・あ!」
「・・・?」
「・・・・・・・ははーん」
「ほえ?」
「さてはおめーら、とうとう二人揃って俺の元に来る決心がつきやがったか!いいぜェ俺のとこは!給料は奮発するしなにより海が ある!丁度今から繰り出すとこだ、おめーらに海の良さ、とことん味合わせてやろーじゃねぇか!!おらァアア野郎どもォ!帆を あげな!!!」
「・・・・・・あーなんか暴走してる・・・」
「やっぱりな」
「え、片倉の旦那ってばこの展開を予想して」
「似てるからな」
「え」
「政宗様に」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「一人より二人のほうがよりそっちの展開に持っていきやすい」
「想像がつくってやつねー」
「まあいいじゃねェか。ほら、あの男もう船に乗り出してやがるぜ」
「あ、ほんとだ」
「乗るだけ乗って採るだけ採って帰るぞ」
「・・・・あんたって」
「なんだ」
「なんもー」








小十郎のストーリーモードはこんなんでいいです。
佐助と松と行く食材探しの旅。








IN米沢


「・・・・・・Hey、小十郎」
「は」
「思うんだがな」
「なんでございましょう」
「・・・・・・どー考えても、こらァImpossibleじゃねェか・・・・・・・?」
「お言葉ですが」
「・・・What?」
「あるところに」
「・・・・・・?」
「師走のはじめに勝手に上田城へお行きになり、中ごろに瀬戸内まで逃亡なされ、暮れも差し迫った今ようやっと我々に見つかって しぶしぶ奥州へ戻られたご君主がおりましてな」
「小十郎ォ!!てめェ嫌味だぞっ!!」
「どこの誰とは申しませぬが」
「おまえにはふたり君主がいやがんのか!!」
「あなたがそれをお聞きになるのですか」
「・・・え」
「この小十郎の主は、日の本広しといえど政宗様ただひとり」
「小十郎・・・・(きゅん)」
「時に政宗様」
「え」
「年始の挨拶状は残り25カ国です。お手が止まっているように見えますが」
「・・・・・・・・・・・・・・・・Unbiliebable・・・・・」
「はあ(ふかいため息)」
「・・・・っ(涙目)」
「しかたありませぬな」
「・・・っじゃあ小十郎!!(きらきら)」
「かくなるうえは」
「手伝ってくれんのか!」
「・・・(襖がらり)おいてめェら!!!これから甲斐に向かう!政宗様と俺の馬、それから護衛をとっとと用意しな!!」

「・・・・・・・・・・・・・へ?」



IN甲斐


「で、うちに来たと」
「おお」
「うん、まあ、あんたらがこっちの都合考えねーおひとたちってのはよく知ってるけどね」
「いいだろうが。どうせ此処も似たようなもんだろ」
「・・・ま、否定はできねーわ。うちの旦那はあと17カ国だけど」
「どうしてこうなるまでやらねェんだろうな・・・(ためいき)」
「さあ・・・・どうにかなると思ってんじゃないのー(肩すくめ)」
「どうにもならんのだが」
「いやいや、どうにかするために来たんでしょーが」
「まあな・・・お、残り15カ国だな」
「こっちは14カ国。やっぱ競わせるとはやいねえ」
「13だ。米沢じゃァ、一日5通の速度だったんだがな」
「じゅうにーっと。似たようなもんよどこも。だんなーいいちょうしー」
「10だな。政宗様、流石ですぞ」
「はーち!真田の旦那ってばかがやいてるね!相手はびびってんぜ!」
「・・・(むか)」
「ななー」
「・・・・政宗様!手加減もよろしいがそろそろ相手に格の違い、見せつけてやる頃かと」
「・・・(いら)」
「残りは5通。あと一歩ですぞ」
「・・・・だんなあ?そんなの相手にもならねーってのとっととわからせてやんなよー」
「・・・・(ぎろり)」
「・・・・(にやり)」

「・・・・・どうやら大掃除のやり残しがあったらしいな(ちゃきん)」
「・・・・・俺も粗大ゴミの捨て忘れがあったみてーだわ(すちゃ)」

「・・・・おわったでござるうううううう」
「よーーーーやくFinishだぜっ!」
「いい勝負でござった!」
「まぁ今回はEvenってことにしといてやるぜ・・・しかし下手したら年越しの瞬間までこれだったな・・・(ぶるぶる)」
「そ、其もでござる・・・(がたがた)」
「ま!とにかくこれで奥州に帰れるぜ!こじゅーろー!!とっとと帰ろうぜー!!」
「さすけーー!其、腹が減ったでござるううう」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おい」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんでござる」
「なんで、あいつら、闘ってんだ」
「其に聞かれても・・・」








年賀状を直前まで書かないのは、私です。
W従者はこんなんが理想。愚痴→自慢→戦闘開始!










年末に一日一個更新を目指してやってました。
小十郎は気持ち悪いくらい伊達を好きだからこその小十郎だと思います。



2007/01/31
空天

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