・・・幼稚園は大忙し・・・









まずは設定です。



【片倉小十郎】

BASARA幼稚園保育士。29歳独身。
顔は怖いけど優しいよね、と男の子にも女の子にも密かな人気が(密かなのはやっぱり顔が怖いからだ)。特にりんご組の伊達政 宗君からはいつか嫁に来いよ!と熱いプロポーズを受ける毎日。が、本人は最近の子どもはいろんな言葉を知っているなあくらい に思ってる。本来事務仕事をするはずの園長と副園長が園児とたわむれてばかりいるので同僚の猿飛先生と一緒に事務仕事をこな す日々。しかも深夜まで残業をふたりでしていた結果、なんだかんだでおつきあいすることに。おいおい実家に孫はいつ見せられ るんだ。
眉間の皺が哀愁をそそる29歳。


【猿飛佐助】

BASARA幼稚園保育士。27歳独身。
ノリの軽さと面倒見の良さで女の子に大人気。でも扱いは「さっちゃんこれやって」的なあれ?俺パシリじゃね?みたいな扱いで あんまり厚遇はされていない。密かに片倉先生への恋心とか相談されちゃった日には相手が幼稚園児でもちょっとショックな今日 この頃。でも園長(武田先生)への恋心を相談されたほうがもっとショックだぜ。器用貧乏な性格が災いして片倉先生と雑用ばっ かりやっている。おかげで出会いの少ない職場で恋人はゲットしたけどいいんだかわるいんだか自分でもよく解っていない。
今一番気になるのはボーナスが出るのか出ないのからしい27歳。


【武田信玄】

BASARA幼稚園園長。45歳既婚。
強く逞しくをモットーにBASARA幼稚園を設立。誰よりもまずそのモットーを自分自身で体現するべく日々のトレーニングを 欠かさない。そして園児たちとの触れあいも欠かさないので男女問わずに大人気。園長先生のぐるぐるは日々長蛇の列ができる園 の目玉。りんご組の真田幸村君とは師弟の契りを結ぶほどの仲らしい。そのうえ保護者の方からも大人気で、某白い人からは「お まえさま」なんて呼ばれたりしてる。ちなみにそのしわ寄せは全部片倉先生と猿飛先生にいっていることを知りつつなんも改善し ようとしない大物だ。
残業手当は出しているだろうと笑顔で断ち切る45歳。


【豊臣秀吉】

BASARA幼稚園副園長。35歳独身。 その肉体美を園長にかわれて土木業者からヘッドハンティングされたらしい。副園長だけど副園長っぽいことはあんまりしていな い。「我が手に掴めぬ物なし」とか言いながら生徒を五人くらいつかみ上げて回したりしてるんで、園長に次ぐ人気がある。たま に回してた生徒が飛んでったりもするがそこはご愛敬だ。大体は猿飛先生が受け止めてくれるらしいぞ。いちご組の前田慶次君に はなんか目の敵にされているが、本人はあまり気にしていない。それより目下の悩みはさくらんぼ組の竹中半兵衛君の熱い視線だぜ。 最近ショックだったのは猿の先生と言われたことらしい35歳。


【伊達政宗】

BASARA幼稚園りんご組。5歳。
おうちはヤのつくお仕事を営んでいるらしく、本人も言うことがいちいち怖い。毎朝黒い車で出迎えをされているので色々うわさは されているが気にしていない大物。楽しいことは同じクラスの真田幸村君との決闘。ただいま143勝142敗243引き分け。 次は大食いで勝負だとは本人談。将来の夢は世界征服と片倉先生をお嫁さんにすること。もうプロポーズは済んでいるのであとは 実家へご挨拶をしに行くだけらしい。
嫁とか言いつつウェディングドレスは自分が着たい5歳児。


【真田幸村】

BASARA幼稚園りんご組。5歳。
由緒正しい剣術道場の息子さん。そのせいか口調がいやに時代がかっている。日々おうちで流れている時代劇の影響で、いつか自 分にも仕えるべき主と最高の好敵手を、とか思いつつ入園した幼稚園でふたつともゲット。日々伊達政宗君との決闘に胸を熱くし 、尊敬すべき園長先生への思慕に胸を焦がしている。一度猿飛先生にその胸の痛みについて相談したら猿飛先生は逃げてしまった らしく首を傾げている今日この頃。
園長先生のことを考えると鼻血が出ちゃう血圧高めの5歳児。


【竹中半兵衛】

BASARA幼稚園いちご組。6歳。
おうちは歌舞伎町で評判のクラブ。その環境のせいで6歳にして人生を舐めきっている。が、入園した幼稚園で一目惚れした副園 長にのみものすごい乙女的応答をする。至福のときは副園長に掴まれてぐるぐるまわされているとき。例えすっぽぬけて壁に叩き つけられても僕は平気だよ秀吉・・・。さくらんぼ組の前田慶次君とは犬猿の仲で、ひそかに慶次君が副園長をねらっているので はないかと疑っている。
白髪ーと言われるとすかさずお仕置きを鞭でする女王様な6歳児。


【前田慶次】

BASARA幼稚園さくらんぼ組。4歳。
両親が海外で仕事をしているので叔父夫婦のところに居候中。らぶらぶな夫婦を見せつけられているせいか恋愛に対してとても早 熟。初恋は3歳のときらしいが、どうもその相手が副園長の元奥さんらしく、その関連で副園長のことを延々と目の敵にしている 。おかげでいちご組の竹中半兵衛くんから表からも裏からも嫌がらせを受けているが、あんまり気づいていない。実は密かに片倉 先生のことがすきで、りんご組に勝手に出入りしているがその度に政宗君に追い出されている。
愛に障害はつきものだよな、が口癖の4歳児。








書いたくせに結局園長と副園長全然出しませんでした。





INりんご組。

「ヘイ、もとちかよお。おまえ、ぶっちゃけうちのようちえんでどのティーチャーがいちばんナイスだとおもう?」
「あぁ?せんこうのなかでぇ?・・・んー、やっぱえんちょうのぐるぐるはすげぇよな。かぜになれるぜ」
「それがしも、それがしもそうおもうでござるよっ」
「シャラップ!おめぇはえんちょうならなんでもいいんだろうが!!・・・もとなりはどうよ」
「・・・われはそのようなくだらんことにはきょうみがない」
「うそだぜーこいつ、まえにかたくらにおんぶされたときうれしそーだったのおれみた!」
「(無言で元親を殴る)」
「ぐふっ」
「ワット!?もとなりてめーオクラなことをさいわいにこじゅうろうにいいよりやがったなァ!!?」
「われはオクラではない!にちりんである!」
「あーもうどっちでもいいじゃねぇかよオクラだろーとニシンだろーと」
「(無言で元親を蹴る)」
「げほっ」
「もとちかどのこりぬでござるなあ・・・」
「ばかだからな。・・・しっかし、あんがいてきはおおそうだぜ。あんなきょうあくづらしててもこじゅうろうのプリティーさはかくせねぇんだ・・・」
「ぷりてぃーってかたくらのことか」
「おお、おまえまだアライブだったのか」
「おまえさあ」
「ワット?」
「ひだりめもくさってんじゃねーの」
「しね(鉛筆六本斬り)」
「こまめ(フラフープアタック)」
「ぎゃあああああああああああああああ」

「・・・やっぱりもとなりどのもかたくらせんせいがすきなのだなあ・・・」




INさくらんぼ組。

「つーことでおまえらはどうだ」
「いきなりやってきてなんだべか」
「しらねーよそんなん。きょうみないねー」
「なんだらんまる、おまえまだファザーとマザーにしかきょうみねぇのか?ハ!これだからチャイルドはよ!」
「な、なんだよっ」
「おらはかたくらせんせいがすきだべ」
「な!」
「かたくらせんせいとはやさいのはなしができるでな」
「・・・ちくしょう・・・やっぱりキーポイントはやさいかァアアア!こじゅうろう!おまえへんだぞ!なんでめのまえにこんなクールガイがいんのにおまえのそのめはやさいしかみねぇんだアアアアアア!」
「ま、まさむねおちつけっ」
「でもおらもまだおっかあのがすきだ」
「・・・なんだよ、さきにいえよ」
「おまえがかってにぼうそうしたんだろーが」
「あーあーもーしょうがねーだろ?こいつらまだこいをしらねぇんだよ」
「あ、いろぼけいじ」
「ナニソレ」
「おまえはいいんだよさがってろおねがいだからさ」
「おれはかたくらせんせーがすきだよ!」
「・・・だからいいっていってんだろうがァアアアアアア!!!!」
「はん!いっこうえだからっていいきになんなよ!こいはしょうがいがおおいほどもえるんだからな!」
「ファックユー!しょうがいだとぉ!?そりゃあおまえのことだこのとこはるいろぼけがっ!!」
「あんただってねーよそじゃかたくらせんせーのストーカーだってもっぱらのひょうばんなんだぞ!」
「ばかやろー!おれはあいのたんさくしゃだ!だんじてストーカーなんかじゃねェエエエエエ!」

「・・・・・あーあーもうおれしらねーかえる」




INいちご組。

「もちろんひでよしさ。ぐもんだね」
「まだきいてねーよ」
「ふふふふ、わたしはせんせいたちより、らんまるくんのちちうえのほうがきになりますねぇ・・・っくっくっく」
「おまえなんかさいしょからきくきもねーよ」
「おやつめたい・・・っくっくっく」
「ひでよしのすばらしさはまさむねくんにはわからないかな・・・ううん、みんなひでよしのしんのすばらしさはわからないさ。だれにも、ね・・・ぼくにだけ!ぼくにだけわかればいいんだよ!」

「・・・とまんねえな」








元就と小十郎とかって見たことないですね。
あとは佐助が居ないと突っ込みはチカちゃんになるようです。






すべての始まりはある日の職員会議からでした(ナレーション)。


「今年の遠足は某ねずみ王国と相成った」
「あーいんじゃないですかーガキども喜びそーだし」
「保護者同伴ですから危険もすくないですしな」
「それで下見をしてきて欲しいのだが」
「あ、はいはーい!俺行きます!タダで遊園地!」
「阿呆、はしゃぐな(ぺしん)」
「いだ」
「ふたりで行ってこい」
「え」
「は」
「片倉と佐助の、ふたりでな(にこり)」


運命とは偶然に見える必然だと言うような言わないような(てきとう)
かくしてふたりはねずみ王国へ。


「・・・なんで俺が平日の遊園地におっさんと一緒にいかにゃならんのよよよよよ」
「こっちの台詞だ、阿呆」
「ちぇー。ひとりで行くふりして女の子でもひっかけて行こーと思ったのにー」
「ひっかけねぇといねぇんだな、女。・・・まずはトイレの場所確認か・・・」
「うっわむっかつく。つーか片倉さんはどうなわけ?この仕事で彼女居たら驚異なんだけど」
「いねぇ」
「ほらー」
「聞かねぇでも解るだろーが。仕事後延々事務やってんだからよ」
「・・・だよねー・・・ああもー彼女ほしー一緒に遊園地行きたいー」
「うだうだ言ってねぇで仕事しろ仕事」
「パレード見たいよーう」
「(うぜえ)」
「片倉さん」
「・・・あんだよ」
「パレード見て帰んねえ?だってこのまま仕事だけして帰ったら空しすぎるじゃん」
「・・・男同士でパレード見て帰る方がより空しいとは思わんか」
「・・・そーいやそうですね」
「とっとと終わらせて帰るぞ。そうしたらその後どっかで飲めばいいだろ」
「そりゃすてき。おごり?」
「(ぺしん)」


酒は飲んでも飲まれるな。
わかっていてもなかなか難しいものです。


「えぐえぐ」
「・・・(こいつ泣き上戸かようぜぇ)」
「片倉さんはいいよねーだってもてるでしょー」
「べつに」
「俺なんてどーせ?さっちゃんとか呼ばれるし?チョコは義理だし?恋の相談ばっかで告白なんて一回もないもん。うえええええ」
「そら全部うちの園児の話じゃねぇか」
「片倉さん本命チョコもらってたじゃん去年」
「うれしくねぇよ5歳児からもらっても」
「5歳児からさえもらえない俺はうらやましいんですーう」
「ならやろうか」
「いらない」
「話が違ェぞ」
「まかり間違って政宗のなんか来た日には、呪いかけられそう」
「あぁ?いいこだぞ?」
「あんた周りもうちょっと見ようね・・・あーもー俺ちゃんと結婚できんのかな!」
「あの職場じゃ難しいだろうな」
「・・・あんただってそうじゃん・・・」
「まぁな。だが別に焦ってするもんでもねェだろ」
「けっ。もてる男はよゆーですねぇ?」
「おまえ絡むのもいい加減にしねェと路上に放置しとくぞ」
「やだーまた飲み直すもん」
「どこで」
「あんたんち」
「ざけんな」
「だってもう終電出ちゃったよ」
「はあ?」
「えへ」


そして翌朝。
おやくそくのようにちゅんちゅんと雀が鳴きます。


「・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・えーと」
「・・・・・・・・・・・・・・覚えてねェのか」
「なんで俺裸なんでしょうか」
「知るか」
「そしてなんであんたも裸なんでしょうか」
「知るか」
「・・・・・・・・きゃああああああああ!」
「なんでそこで叫ぶ」
「だって!俺の貞操!このけだもの!」
「阿呆が!(ばこん)」
「いだっ」
「・・・逆だ」
「へ」
「だから逆だっつってんだろうが!」
「ほへ」
「けだものはおまえだってことだ、このボケ!」

「へ?」








猿飛先生はこのあと獣返しを片倉先生にされます。





AT観覧車


「政宗様。いい景色ですよ」
「ワオ!こじゅうろう、ひとがすげースモールだぜ!」
「そうですね。おお、ほら、海がきれいですよ」
「・・・フ、おれはいつももっとビューティフルなものみちまってるからそんじょそこらのもんじゃハートにひびいてこないぜ・・・」
「ほう。なにをみてるのですか」
「ばっ!そんなんわかれよ!にぶいな!」
「?」
「・・・お、おれのめのまえにいるやつだよっ」
「ああ」
「(どきどき)」
「元就くんのことですかな(頭なでなで)」
「・・・(ON小十郎の膝)」
「政宗様が褒めてくれてるぞ?」
「われはこのようなげすにすかれてもすこしもうれしくない」
「はは、照れてるのか?(なでなで)」
「・・・・・・てんめェエエエエエエエエもとなりィィイイイ!!!!いますぐ!いますぐにそこからはなれろォオオオ!」

がたがた

「政宗様!動くと観覧車が揺れるでしょう!」
「だって、だってこじゅうろう!おれだっておまえのひざにシットダウンしてぇよ!」
「仕方ないでしょう」
「・・・っ(ぶるぶる)」
「元就くんは高所恐怖症なんですよ」
「だったらそもそもかんらんしゃなんかのるんじゃねェ!つーかオクラ!おまえにちりんじゃねーのかどこのたいようがたけェとこ ろこわがるんだよ!!このチキンがっ!」
「・・・政宗様(ぎろり)」
「・・・!」
「汚い言葉を使うのはおやめなさい」
「ふん。こまめ(にやり)」
「・・・・うぅ〜・・・・」




ATコーヒーカップ

「・・・ふ、このていどのかいてん、ふだんひでよしのぐるぐるになれているぼくにとってはひまつぶしにもならないな」
「それがしとて、おやかたさまのぐるぐるをいちにちとてかかしたことはござらん!」
「おやゆきむらくん・・・ぼくにはりあうきかい?」
「せいせいどうどうしょうぶでござる!」
「いいだろう・・・でもわかってるかな?これはね、おたがいのあいがためされるたたかいなんだってコト・・・」
「な!」
「つまりここでかったもののほうが、せんせいにたいするあいがつよいということさ!」
「な、なんと・・・!それはますますまけるわけにはゆかぬでござるうううう!!!」
「ふふふふふふ、さあしょうぶといこうかゆきむらくん!(すちゃ)」
「のぞむところ!(すちゃ)」
「・・・(ぐるぐる)」
「・・・(ぐるぐる)」
「・・・そのていどなのかな!えんちょうせんせいのぐるぐるは!(スピードアップ)」
「・・・な、なんの!(スピードアップ)」

数分後。

「おい、さるとび!たいへんだ!」
「ちょ、元親くーん?俺先生だってこと忘れてね?」
「いーんだよそんなことは!そんなことよりとっととこっちこいや!」
「なーにがあったわけ?」
「たけなかとさなだが!」
「竹中くんと、幸村くん?どしたの?」
「うごかなくなっちまったんだ」
「はああああああ?」
「コーヒーカップのなかでふたりともひくひくいってんだよ、ありゃやべぇ」
「・・・・・・なんでまた」
「あいをかけたたたかいだったらしい」
「・・・」
「なあ、あいってなんだ、さるとび」
「・・・さあ」




ATお化け屋敷

「かたくらせんせい!おれがおばけからまもってあげるからあんしんしてね!」
「あーはいはい、解ったからはやくさくらんぼ組にもどんな」
「おれがいなくなったらさみしくない!?」
「慶次くんが出口で待っててくれればさみしくないから(なでなで)」
「そっかーえへへへへ。じゃ、まってるからはやくな!」
「気をつけてな」
「・・・ほんもののゴーストがあいつどっかにつれさってくれねェかな(ぼそり)」
「おや?(きょろきょろ)」
「?どうした、こじゅうろう」
「幸村くんの姿が見えませんな」
「あーあいつ、すげェこわがりなんだよなあ。さてはにげたか」
「さっきゆきむらならさるとびといっしょにいたぜ?」
「・・・われもみた」
「だが猿飛先生はさくらんぼ組の引率でもう中に・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「なんか、叫び声が聞こえるんだが」
「さるとびのこえだな」
「ズボンがどうのってきこえるぞ」
「・・・ゆきむらのなきごえも、きこえる」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・まあ、いいか」







最初こじゅは伊達のことを「政宗君」って呼んでました。
あんまりきもちわるかったので変えました。











のずさんとこの幼稚園児たちがあまりに可愛いので思わずやってしまった幼稚園ネタでした。
調子に乗ってこの続きが裏に延々と連載しています。



2007/02/06
空天

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