桜の花弁が大地に降り積もっていくのに似ている。
出したら返ってくるものだから返さぬわけにもいかず、二月経って気付いてみれば佐助の目の前にはちいさな山ほどの
書状が積んであった。

「仲睦まじいでござるなあ!」

と、幸村は言う。
佐助はうんざりと視線を送って、積もった書状の前で途方に暮れる。

「・・こんなんどーしろってぇのさ」
「大事に取っておくでござるよ」
「真田の旦那、俺様忍者ですぜ?こんな、素性が知れるようなもん持っておけるかよ」

小十郎の書いた書状には、すべて猿飛佐助という宛名がしてある。
もともと名を隠しているわけでもないので、それほど困るということでもない。半ば言い訳である。ただ、おのれの持
ちものなど殆ど持たぬしのびの性だろうか。そういうものが降り積もっていくのはほとんど恐怖だった。
困るんだよ。佐助は眉を下げて書状を一枚ひょいと持ち上げた。そんなものか、と幸村は首を傾げる。

「佐助は、いやなのでござるか」

何度も何度も言い聞かせた甲斐あって、幸村の誤解は解けている。
幸村はだから、不思議なのだろう。佐助は相変わらず小十郎と文の遣り取りをしている。

「いやなら止めればよいではないか」
「真田の旦那さあ・・・あんたが原因だって分かってる?」
「だが続けているのは佐助でござる」
「・・・まぁそうですけど」

そう言われれば黙るしかない。
幸村は考えるように、こくんと首を傾げてそれから眉を寄せた。そしてむう、と呻いて佐助に向き直る。つまり。幸村
は確認するかのように、佐助の顔を伺いつつ言った。つまりな。

「そなたは」
「うん?」
「そなたは、片倉殿のことを好いているのだな?」

にこり、と。
梅雨の湿っぽい雲を吹き飛ばすような晴れやかな笑顔で、佐助の主はそう言うのだった。
思わず手に持っていた書状をその顔に押しつけてやろうかと一瞬手を浮かせかけたけれど、勿体ないと思ったので佐助
は結局それを書状の山のいっとう上に置いた。すきじゃねえ。憮然とした顔でそう言っても、幸村はにこにこと笑うば
かりで暖簾に肘押しである。
なにも懸想していると言ってるわけではござらん、と幸村は言う。

「其が佐助を好いているように、佐助も片倉殿を好いてるのではないのか」

それでよいのではないか。
佐助は目を丸くした。

「楽しいのであろう?」
「まぁ、ね」
「片倉殿のことを厭うてるわけでもないのであろう?」
「きらいじゃないさ」
「すきであろう?」
「・・・どっちかっつったらね」
「其には何が問題なのかわからないでござる」

よいではないか、と幸村はまた言った。
佐助は黙って視線を胡座をかいたおのれの足に落とす。
何が問題か、と問われればたしかに何処にもそんなものは存在しないのやもしれなかった。小十郎は佐助になにを求め
ることもなく、書状を手渡しに行けばすこしのあいだだけ物語りをして、それで終いだ。相変わらず深過ぎる夜色の目
が佐助を居たたまれなくさせるだけで、いっそ拍子抜けするほどに小十郎はただ佐助にぬるまったい恋をしている。
当人さえそれに気付かぬ、佐助が知らなかったなら何処にも在る筈もないままに消えていく筈だった、それほどまでに
微かで淡くて、意味のない感情の端くれを小十郎は延々と後生大事に抱えている。

「問題なのは、俺か」

幸村が居なくなった座敷のなかで、ぽつりと零す。
佐助が気付かねばそもそもそれはこの世に存在すらしなかった。
佐助が書の遣り取りなど続けなければ、いつか佐助の記憶と一緒にどこかに消えていくものだった。
困る。佐助はつぶやいた。困るんだよ。小十郎のあの視線も佐助にだけ宛てられる文字も覚えてると笑う声も全部が全
部薄ら寒いほどに佐助の体中を歓喜で包んでくる。

今更どうやって棄てればいいのか解らない。

書状は積もって、桜の花弁のように山になる。
違うのは時が流れて雨が降っても、それは朽ちることなく其処に在り続けてしまう。

息を吐いて、書状の一枚を戯れに取り上げて開いてみた。
皐月のはじめに送られてきたそれには、豊作祈願のための祭りのことが綴ってある。伊達政宗が舞って、それが大層す
ばらしかったということがやはり淡々と。佐助は思わずちいさく笑った。淡々とでも、どれだけそれがあの男にとって
誇らしかったかが端々から伝わってきてくすぐったいような感触がする。

「『我が主が舞にて、民は湧き上がりて、宵の果てまでも祭は続き候』」

口に出して読んでみる。
続けて武田にも豊作祈願の祭りがあるのであろうというようなことが問いかけてあった。佐助はその返事に、こちらの
祭りはもう終わってしまったけれど、大層盛況であったことを綴ったのだと思う。
そろそろ諳んじることが出来るのではないかという程に、佐助はそれを読み返している。
小十郎のことを思う。

「・・・俺、相当最悪だな」

書状を顔に伏せて吐き捨てる。
小十郎のことを、佐助はきっとすきだ。ただそれは小十郎のそれとはちがう。




佐助が恋うているほどに執着するのは、小十郎自身ではなくて小十郎がくれるぬるまったい感情でしかない。




話すのはたのしい。
文がくれば何処かしらが軋むようにふるえる。
何を介することもなくただおのれにだけ向いてくる視線を、手放しがたくなっているのは認めざるを得ないけれど、お
なじくらいにそれが苦痛だ。ひきょうだ、と思う。向かい合いもしないくせに、その都合の良いところだけを受け取ろ
うとしているおのれの醜さに反吐が出る。

―――俺なんかの何処がいいのさ。

幾度目かになるそれをまたつぶやく。
あの視線が佐助を見てくれるだけで、きっと十二分に満たされた筈だった。書状を握りしめる。開いた障子からは、し
としとと霧雨が降り注いでいた。葉が濡れてきらきらと青い。奥州も今頃は梅雨に入って、こんな鬱陶しい空気に包ま
れているのだろうなと佐助はぼんやりと思った。
書状の返事を書こうとしては止め、書こうとしては止めを繰り返していたらもう梅雨だ。つくづくおのれの優柔不断さ
がいやになる。小十郎のあの感情に応えることの出来ぬおのれが居たたまれない。それなのに、時折零れるあのかすか
な笑みを手放したくない、と体中が叫んでいる。浅ましい。
すくりと体を起こして、佐助は文机に向かった。


硯で墨を擦りながら、知らなかったことにしよう、と思った。


佐助が忘れれば、小十郎のあの感情は何処にも存在しなかったことになる。
しゃりしゃり、と墨が削れていく。硯の水が黒くなる。卑怯だ、と言う者は誰も居るまい。佐助しか小十郎のその感情
を知らず、おのれ自身に凝りは残るけれどそれだけだ。ぴちゃ、と硯から墨を取る。指がうっすらと黒く汚れている。
汚い。それは佐助が一番よく知っている。

それでもいいから、佐助は小十郎のあのかすかな笑みが欲しかった。








































久々に訪れた奥州は、雨の後なのだろうか、空の青さとは反対に空気は水を含んでいた。
米沢の城には探し人は居らず、女房のひとりに聞いたら畑に居るということだった。そりゃどうも、と頭をひとつ下げ
ると、女房はにこりと笑う。いいえ。佐助は首を傾げた。
ふつう、こんなふうに好意をもって迎えられることはない。

「米沢のひとは、おやさしいんだね」

そうやって笑うと、女房も笑い返す。

「小十郎様のお知り合いでございましょう」
「はあ・・・まぁね」
「ならば我らにとっても大事なお客人でございます」

どうぞごゆるりと。
ぺこりと頭を下げて女房は去っていく。佐助はその後ろ姿を眺めながら、首もとを掻いた。
城下町を抜けて、すこし行ったところに小十郎の畑はある。作務衣を纏った探し人は背の高い野菜の葉に埋もれていた。
声をかけると、ひょこりと手拭いで括られた頭が葉のなかから覗く。
切れ長の目がすこしだけ見開かれた。

「・・・こんちは」
「あァ」

久しいな。
声をかけると手拭いを頭から取り払って、小十郎は佐助に近寄ってくる。
巨木に背中を預けながら、佐助はちらりと笑いかけた。書状を懐から取り出して、顔の傍で揺らす。

「随分遅くなっちまって、悪かったね」

そう言うと、構わん、と短い返事が返ってきた。
小十郎の腕が伸びて、佐助の手のなかの書状を取ろうとする。





ふと、悪戯心が湧いた。




腕に軽く触れてみた。
小十郎の顔がふいとあがる。訝しげにその眉が寄る。日にあたった腕は褐色に染まっていて、手甲を外した佐助のしろ
い手と並べるとおなじ生き物のおなじ部分とも思えなかった。
日に焼けた皮膚はかすかに火照っている。
 
「熱い」
「・・・日に当たったからじゃねェか」
「そうだね」
「いつまで触ってんだ、気色悪ィ」
 
振り払われて、佐助は眉をしかめる。
気色悪い。こちらの台詞だよ馬鹿、と胸のうちで吐き捨てる。
わかっていたことだけれど、小十郎は垂れ流すように佐助を恋うているくせに、それをちっとも自覚していない。なん
だよ、と佐助は小十郎を睨み付けた。腹が立った。
どうして俺ばっかりこんなに慌てなけりゃなんないのさ。
 
「慌てる?」
 
不思議そうに首を傾げる小十郎が憎らしかった。

止めておけ、と。

頭の何処かで誰かが佐助に言った。
 
(おまえ、このひととは距離持ってつきあうって決めたじゃん)
 
小十郎のぬるい恋情が心地いい。
佐助は小十郎を恋うてはいないが、それでも手放せない。
だから文の遣り取りをして、たまにこうやって話して、あの夜色の目に晒されることはひどく居心地が悪いけれどそれ
くらいは耐えよう。そして笑ってもらうのだ。
あのかすかな、ほんとうにかすかに唇が弧を描くのを佐助は近くで見ていたい。
何もしなければ、このぬるまったい日々はずっと続く。
 
「ねえ、あんたこうやって俺に触られるのいやなの」
 
止めておけ。
また誰かが言った。
佐助は皮肉げな笑みを浮かべながら小十郎に一歩近寄る。頭ががんがんと鳴り響くようになにかを警告するのに、体が
勝手に動くのは驚くべきことだった。なにをしているのだろう、と冷静なおのれは頭を抱えているのに、火照った体の
ほうはすこしだって言うことを聞かない。
一歩寄ると小十郎は一歩遠のく。
 
「なーんで離れるわけ」
「てめェが寄るからだ。このくそ暑いなかで近寄ってくるんじゃねェよ」
「あんたが離れなけりゃ、これ以上は寄らないさ」
 
小十郎はあきらかに佐助を不審に思っている。
おかしな感情が湧き上がるように足元から頭の天辺へとあがってきた。小十郎が佐助を恋うていなければいいとあんな
に思っていた筈なのに、自覚をしていない小十郎が当然のように佐助を退けるのが苛立たしくって仕様がない。
あんたは俺がすきなんだよ、と余程言ってしまおうかと思った。
 
(言ってどうすんだ)
 
小十郎が自覚しても、佐助は応える術を持たない。
自覚せぬままでも、おかしなことを言うと小十郎は佐助を厭うようになるやもしれぬ。
どちらにしても無意味でしかないその行為を、それでも佐助はやってしまいたくてならなかった。どうした、と小十郎
は覗き込むように佐助に問うてくる。おまえ今日、どこかおかしいぞ。
 
「なにか、あったか」
 
声は平坦で、低い。
それでも佐助はそのなかに気遣ういろがあるのをすぐに感じ取ってうんざりとする。
なにもないよ。佐助は笑った。なんにもありゃあしませんよ、あったとしてもあんたのような御大尽が聞くようなこと
じゃぁないしね。そうやって皮肉げに笑った。
 
「そうか」
 
小十郎は眉ひとつ動かさず、体を引いた。
 
「ならいい」
 
それから、あのかすかな笑みを浮かべる。
思わず心の臓があるあたりを佐助は強く握り締めた。
ごめん嫌な言い方をした。つぶやくと、小十郎はかまわん、と首をかしげてから、いや、と口元に手をやった。それか
らその手を佐助の頭に拳骨で振り下ろす。
がん、と鈍い音がした。
目の前でちらちらと白い光が舞う。
 
「ったぁ・・・!」
「これで今のむかっ腹の立つ言葉は無かったことにしてやってもいいぜ」
「・・・ずいぶんと気前がいいこって」
 
佐助が恨めしげに見上げると、小十郎は笑った。
 
「苛ついてんな」
「・・・べつにぃ」
「珍しい。真田の坊やになんかあったか」
「無いよ。あのひとは相変わらず毎日しあわせそうだよ」
 
ふいに幸村に言われた言葉が頭を過ぎった。
主は佐助のこの矛盾を、小十郎を――恋情ではなくて――好いているからだと言った。佐助もそうだと思っていた。た
だおのれは主が思うよりは薄汚くて、小十郎からの恋慕をおのれの都合のよい部分だけ掠めていくことを望んでいるの
だと、そういうふうに思っていた。
小十郎がそりゃァなによりだ、と淡々とした声で言う。
 
 
ちがうのかもしれない、と佐助は思った。
 
 
木漏れ日でまだらになっている小十郎の顔を見上げる。
 
「片倉の旦那」
「うん」
「さっきさ、俺が触ったのきもちわるかった」
 
小十郎は苦く笑う。
 
「武田は男同士で触れ合うもんなのか」
「まさか」
「だったらてめェも思うだろう。男に触れてなにが楽しい」
 
ちがうか、と問われて佐助は頷いた。
それからすこし黙って、小十郎の腕にまた触れた。小十郎が呆れたようにおい、と言うが、構わずにそのまま腕を掴ん
で引き寄せた。
息が届くほどの近くに小十郎の顔が寄る。
 
(わかんねえな)
 
女のようにその唇に触れたいとは、此処まで近寄っても思わなかった。
小十郎は鳩が豆鉄砲を食らったような顔で呆けている。しばらく経ってようやく近ェよ、とやはり淡々とした声が零れ
た。そうだね、と佐助はそれに返す。
顔を近づけたままで、佐助はふしぎだなあ、と思った。佐助はべつに小十郎に恋慕を抱いているわけではないから、こ
うやって接近しても多少緊張するくらいだけれど、小十郎のほうまで一切顔色ひとつ変わらぬというのはどういうこと
だろう。わかりにくいなあ。佐助は切れ長の目を覗き込みながらふう、と息を吐いた。もうすこしわかりやすかったら、
佐助とてすっきりと拒絶もできたであろうに。
 
気づいたらこんなところまで流されている。
 
急に脱力した。
へなへなと首が落ちて小十郎の肩に頭が乗る。
 
「なにがしたいんだ、おまえは」
 
呆れたように小十郎が言う。
佐助は力なく笑いながら、あんたが言うかよそれを、とつぶやいた。
もしかしたら不感症なんだろうか。だからここまで近寄ってもなにも感じねえのかなこのひと。ひどく小十郎にとって
不名誉なことを思いながら佐助はたわむれに背中に腕を回してみた。暑い、と小十郎が抗議の声をあげる。照れるとか
恥らうとかないのか。ないらしい。
うんざりと佐助は息を吐いた。
 
「・・・なんか俺ばっかりあんたに振り回されてンなあ」
「人聞きが悪ィな。いつ俺がおまえを振り回した」
「ぶっちゃけ今も振り回されてますけどね、俺様・・・うん、たしかに梅雨に抱き合うもんじゃないね」
 
背中から腕を放す。
体を起こそうと、小十郎の胸にてのひらを当てた。


 

「・・・え」
 



眉が寄る。
小十郎が首を傾げた。
 
「どうした」
「・・・」
「まだなんかあるのか」
「・・・あんた」
 
気づいてないの、と佐助が言う。
小十郎はすこし黙って佐助の顔を見下ろしてから、また首を傾げた。気づくって、なににだ。佐助は口をぱくぱくと鯉
のようにしたあと、体を離して二三歩小十郎から離れた。
小十郎はそれを不思議そうに眺めている。なんだおまえさっきから意味がわからん。佐助は引きつった笑みを浮かべな
がら、なんでもねーですよ、と手を振った。
 
(やばい)
 
鼓動がうるさい、と佐助は思った。
小十郎は訝しげに睨み付けている。男に抱きしめられて挙句唐突に引かれたら誰でもなんだと思うだろう。無理も無い。
ああでも、と佐助は思った。ああでも、しょうがないよこれは。
どうしよう。佐助は胸のうちで呟きながらあわてて言った。
 
「・・・もう俺、帰んねーと」
「あァ、帰れ帰れ。てめェみてェな無礼な野郎はもう二度と来んでいい」
「怒んないでよ」
 
困ったように笑いながら、佐助はまたどうしようと思った。
てのひらが焼けるように熱い。まだ眉を寄せている小十郎にもう一度謝ってから、森のなかへと姿を隠した。そこから
見える小十郎は、苛ついているのか心なしか土を掘り返す鍬の扱いが雑だ。
それにすこし笑いながら、佐助は頭を幹に預ける。
てのひらを木漏れ日に翳した。
 





とくん、とくん、とくん、と。





 
思い出すだけでこちらの鼓動がけたたましい。
佐助は口元へその手をやった。緩みそうな歪みそうな微妙なむず痒さが口元を覆っている。小十郎の顔は相変わらず仏
頂面で、笑みさえあんまりかすかでわかりにくい。佐助にしてみれば垂れ流すようなあのぬるい感情も、きっとあの様
子では誰にも知られてはいまい。小十郎すら知らぬのだ。
しかめっ面をしようか笑おうか、すこし迷ってから佐助は笑った。
 
「もう、いいや」
 
もういい。
もう面倒なことを考えるのは止めだ。
とくんとくんとくん。心臓が揺れる音がした。ひどく早くて大きな、まるで早鐘のような音がてのひらを伝って佐助に
流れ込んできた。あんな平気な顔をして、声すらすこしも掠れもさせずに、小十郎の心臓はそれでもひどく揺れていた。
 
誰も知らないあの男の恋慕を、体はきちんと刻んでいる。
 
咄嗟に帰る、と言った。
小十郎のことを見ていられなくなったから言ってしまったけれど、このまま帰るつもりはもう佐助にはなかった。ての
ひらで口元を覆って、空を見上げる。まだ空はあかるい。
あの眩しくて鬱陶しい日が落ちたら、小十郎に会いに行こう。
佐助は青々と茂る桜の若葉を見ながら思う。

恋だろうとそうでなかろうと、それが一体どんな問題だと言うのか。

「・・・手放せねーもん、だって」
 
あんなひと。
佐助はまた空を見上げた。筆と墨があれば、あの空を夜にあるいは塗り替えられるだろうか。
詮なきことを思って、笑う。
















(早くあの鼓動の音がまた聞きたいな)















佐助は目に痛いような青い空を眺めながら、うっとりと息を吐いた。






       
 





エロよりも何を書いた時よりもあげるのが恥ずかしかったですコレ・・・。
やっちゃった。やっちゃならんことをやっちゃった。そんな感じです。げふげふ。


空天
2007/04/18

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